2011年主要3キャリアのandroid夏モデル

5月16日(月)にドコモから、5月17日(火)にauから、ソフトバンクからは随時、android端末の夏モデルが発表されました。展示されている機種はだいたい触ってきました。
機種が多いので、ざっと見てまいりましょう。


<ドコモ>

※上の表はコムギドットネットさんからいただきました。
http://komugi.net/archives/2011/05/16121809


【Galaxy SII SC-02C】
6月23日発売



背面から見たこの3枚目の写真では、左側のドコモ版が少し浮いているので大きく見えています。1枚目のように、実際はほとんど同じ大きさです。


(追記)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ドコモ版の製品版はさらに背面が違っていました。


すべすべした表面。滑りやすく指紋が非常に目立つ、という悲しい仕様になってしまいました。しかも、裏蓋の爪が海外版と違っており、裏蓋アクセサリーの流用はお互いにできません。
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3キャリア通して今期一番のハイエンド機種。ズバ抜けています。
ワンセグが入った以外は、普通に使う分にはほとんどグローバル版のGalaxy SIIと同じ。グローバル版より約4mm厚く、約2g重くなっていますが、この差はほとんど氣がつかないレベル。
ワンセグはなかなか綺麗に映りました。
私がUKから買ったものと同じように、日本語対応のswypeや、polaris officeなどが入っていました。


ひとつ氣がかりなのは、このワンセグのアプリだけ、画面のモード変更をAPIを使わずにローレベルのコマンド発行で変えているとのことで、ワンセグを使ったあと、ひと目でわかるほど画面上の文字がギザギザになってしまう現象が起こります。どうやら製品版はそのまま発売されそうで、早期のアップデートで修正を加えてほしいところです。



【Optimus bright L-07C】
6月18日発売

右のGalaxy SIIが最低輝度に設定したままのため余計暗く見えますが、L-07Cの世界最高輝度、確かに明るいです。しかしそれ以外はいたってノーマルで、特にこれと言った特徴がありません。動作は並、デザインも、可もなく不可もなく、な印象。輝度をあげてバッテリーがどのくらいもつのか非常に氣がかりです。バッテリーをもたせるために輝度を下げて使うのでは意味がありませんし、バッテリー容量は1,500mAhと決して大きくありません。マルチタッチの精度もまだまだ。この端末を選ぶ理由は私には見当たりません。



AQUOS PHONE SH-12C
CPU: MSM8255T 1.4GHz
この夏から、SHARPandroid端末は3キャリア通してすべて『AQUOS PHONE』という名称になりました。







今期のドコモではGalaxy SIIに次ぐスペック。初代のLYNX 3Dより好印象、サクサクとよく動くようになりました。国内では早期からandroid端末を作ってきただけあり、ようやくレベルがあがってきました。それでも海外から比べると周回遅れな中身ではあります。3Dの質も向上、とても綺麗で、落ち着いて見ることができます。UIはLYNX 3Dから大きく変わった印象は特に無し。マルチタッチの精度はあがってきています、が、今一歩。3D以外は際立った特徴がなさそうですが、バランスが良い端末。これでもっとハイスペックになり、もっとデザインが格好良くなればな、と感じます。



Xperia acro SOー2C】






全体的な質感はarcよりacroの方がずっと良く、好感がもてます。デザインはarcよりも初代に近いイメージ、arcより厚みがあるのが玉に瑕。ワンセグ、おサイフ、赤外線通信搭載以外、中身はarcとほぼ同じ。
いまから買うことを考えると、1GHzシングルコアでRAM512MBというのはスペックとしてはミドルクラスでさすがに見劣りしますが、arc含め、Xperiaとしてはだいぶ動きがよくなってきました。しかし、マルチタッチの精度は、arcもacroも(初代Xperiaより良くなっていますが)もう少し高めてほしいものです。触れたのはacro試作機で、カクカクしたり、反応しなくなったりしました。製品版でどこまで調整できるか・・・製品版のarcでも大差がないので悩ましいところ。使っている人の少ないTime scapeは、もう入れなくても良いのではないでしょうか・・・Xperiaシリーズは、スペックや使いやすさなどまだまだ伸びしろがあるはずで、更なる洗練に期待。特に、見た目ばかりではなく『使いやすさ』というデザインをしっかりと取り入れていただきたい。世界にガツンと通用する端末を生み出すには、それが欠かせません。



【MEDIAS WP Nー06C】
ノーマルバージョン




Amadanaバージョン





薄くて軽いMEDIASの後継機。画面下部のキーが物理キーからセンサーキーに変化。その他は、ノーマルバージョンはあまり初代と変わらない印象ですが、防水になったのはとても嬉しいところ。薄くて軽くて水に強い。すごい端末です。さらに、Amadanaバージョンはとても質感がよく、お洒落。今回も女性に人氣が出そうです。男性から見てもこれは格好良い。薄くて軽くて防水でそれなりに動く。サブとして白ロム購入を検討したくなります。タッチレスポンスや動作速度は並、といったところ。マルチタッチはまだ少しカクカクするときがあり、精度をあげてほしいところ。



今回のドコモは、世界的に見ても強力なGalaxy SIIを取り入れながら、Galaxy SIIにワンセグXperia acroで全部入り、など、日本仕様が目立ちます。ユーザーからの要望への対処、まだスマートフォンに乗り換えていない顧客の取り込み、その他理由はあると思いますが、そうすればそうするほど国内完結の端末となり、アプリ開発者泣かせの状況が広がります。







au

※上の表はコムギドットネットさんからいただきました。
http://komugi.net/archives/2011/05/17122744


AQUOS PHONE IS11SH】







今回auから発表された中で、個人的に一番氣に入った端末。今期のauの中ではスペックは高いほう。バランスと質感がよく、しっかりとまとまっています。テンキーなどを使ってフィーチャーフォンとほぼ同じ感覚で操作・入力ができます。ただ、フィーチャーフォンでおなじみの終話キーや通話キー、通話履歴、メールキーなどがないので、フィーチャーフォンから初めてandroidスマートフォンに変えた、という人は最初は少し戸惑うかもしれません。
SHARPはキャリア3社からAQUOS Phoneを出していますが、auのISシリーズでのAQUOS PHONEが一番わかりやすく使いやすいUIだと感じます。今までの積み重ねが効いているように思います。
画面が3.7インチとコンパクト、それでいてqHDなのでdpi(dots per inch)の値が高くなり非常に綺麗。3D映像が任天堂3DS並みのレベルで、とても見やすく、なかなか良い3Dを実現しています。
女性からの評判は良好。中途半端な日本仕様にせず、どうせやるなら見た目フィーチャーフォンにしか見えないような二つ折りあるいは縦スライドテンキーのandroidを出せばいいのに、とずっと思ていたのがここにきてようやく、現実のものとなりました。



AQUOS PHONE IS12SH】
CPU: MSM8655T 1.4GHz




上の写真の球体のような表示モード(ラウンドホームというそうです)は、触ると必ずその周辺が盛り上がってきて、いちいちその動きをするのでとても見づらく使いづらいものでした。触っている途中で酔ったように氣持ち悪くなってきたので、この表示モードはお勧めできません。




今期のauで一番スペックの高い端末。Tap Flow UIもよく動くようになってきました。IS11SHとともに、ISシリーズの中でもSHARP製品が特に高まってきました。ドコモのSH-12Cソフトバンクの006SHと近い端末ですが、個人的にはIS12SHのほうが使いやすくわかりやすく感じました。Tap Flow UIには賛否両論あるようですけれども。




【G'z One IS11CA】





力強いこのハードはとても魅力を感じますが、いかんせん中身が残念な内容でした。動き悪く、使いづらく、まとまりが無い。マルチタッチの精度は今期最低かもしれません。ハードの強さと見た目だけで中身が乏しい。今後に期待。



Xperia acro IS11S】







ドコモ版acroと大差はないのでコメント省略。



REGZA Phone IS11T】
実機展示はまだ先になる模様。できあがっていないとのこと。東芝は遅い、私の中ではそんなイメージがついてきました。
コールドモックのみ触れましたが、デザインは良いとは思えず、可もなく不可もなくな印象。キーボードは、本体の大きさの割にキーが小さく、あまり使いやすいとは思えませんでした。スペックも魅力なし。今回は苦戦するのでは?








INFOBAR A01】












この見た目はかなり印象的で目を引きます。
UIはアプリもウィジェットもタイル式で一つ一つのタイルを追加・移動・削除可能。カテゴリで分かれており、そのカテゴリ別に表示したり隠したりできますが、ホーム画面が一面のみで縦方向のスクロール、そこに多数のタイルが羅列されているので、非常に探しづらい・使いづらい印象。よく使うものをホームのtopにもってくるとしても、小さい画面ですしすぐにtopが埋まってしまうはず。動作は並。マルチタッチ精度低め。これはアクセサリー的に買うのは良いでしょうけれども、メインとして買うには厳しいかもしれません。



今回のau夏モデルは、国内メーカーのみで海外端末がありません(ソニー・エリクソンは英国企業ではありますが、SONY共同出資ですし、フィーチャーフォンも多数作っており、国内メーカー的な存在と捉えています)。グローバル端末は秋以降に、と名言あり。何がいつ飛び出してくるのか、期待できる内容なのか、注目です。
G'z One IS11CAがワンセグ非搭載である以外は、どの端末もワンセグ、おサイフ、赤外線通信を搭載しており、日本仕様重視が色濃く出ています。特にIS11SHではスライドテンキー採用でまさにスマートフォン初心者あるいは敬遠者狙い。しかし、その層を狙っていてもすぐに頭打ちになるはず。android auと名乗るからには、世界に通用するandroid端末を扱って欲しいものです。秋以降の展開が重要になってくるのではないでしょうか。







ソフトバンク
AQUOS PHONE 006SH】





OS Android 2.3
CPU MSM8255(1.4GHz)
ディスプレー 約4.2インチ(540×960ドット)
カメラ 約800万画素×2(インカメラ約31万画素)
バッテリー容量 1240mAh
サイズ/重量 約64(W)×13(D)×130(H)ミリ/約139グラム


初代のGALAPAGOSより使いやすい印象。ドコモSH-12SHは少し角張っていて、au版IS12SHとこの006SHが丸みを帯びています。中身はSH-12SHと近い感触。
3キャリアのAQUOS PHONE SH-12SH、IS12SH、006SH全部4.2インチの1.4GHzシングルコアSnapdragonですが、それぞれCPUが違うのが面白いですね。違いは実感できませんでした。




AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH/007SH J】


OS Android 2.3
CPU MSM8255(1GHz)
ディスプレー 約3.4インチ(480×854ドット)
カメラ 約1610万画素(インカメラなし)
通信速度 下り7.2/上り2Mbps
搭載機能 防水、防塵、ワンセグ、おサイフ、赤外線
インターフェース マイクロUSB、マイクロHDMI
サイズ/重量 約113(W)×19.3(D)×51.8(H)mm/約140g


ソフトバンクでも登場した、フィーチャーフォンライクなandroid。防水・防塵。カメラ16Mピクセルには驚きます。フィーチャーフォンでおなじみの終話キーや通話キー、通話履歴、メールキーがついていて、フィーチャーフォンからの移行者は非常に違和感なく操作できそうです。ただ、逆にタッチ操作がいまひとつの操作性だとの噂あり。完璧な端末というのは無いものですね。



【Sweety 003P】


OS Android 2.3
CPU 型番は未公表(1GHz)
ディスプレー 約4.3インチ(480×854ドット)
カメラ 約510万画素
搭載機能 ワンセグ、赤外線
インターフェース マイクロUSB、マイクロHDMI
サイズ/重量 約128(W)×14(D)×128(H)mm/約140g







とにもかくにも、3キャリアとも日本仕様なandroidばかり。
スペックも使いやすさもまだまだで、私が必ず買いたい!と思うものが無いのが現状です。
モバイル鎖国にならぬよう、十分注意していただきたいですね。