MWC2012を振り返って・・・

2月27日から3月1日にかけ、スペインのバルセロナにてMobile World Congress(MWC)2012 が開催されました。
氣になった内容やそれについての感想をざっと述べてまいります。





【HTC】
今年のMWCでは特に、去年不発に終わったHTCの発表に期待していました。
初めはandroid界をリードしていたHTCでしたが、去年一氣にSamsungに抜かれてしまいました。今年は強力な端末を・・・そう願っておりました。


しかし、その結果は悲しいものに・・・
新ブランド「HTC One」シリーズとして、「HTC One X」「HTC One S」「HTC One V」の3機種を発表。android 4.0、HTC Senceの新バージョン。

ハイエンドモデルとなるOne Xの最大の目玉は、高性能カメラ、高品質Sound、高速、の3点。
しかし、カメラや音というものは専用機種や特化機種にかなうわけもなく、高速といってもすでに多数のメーカーが採用しているTegra3搭載。HTC Senseによる差別化にも限界があります。ホワイトモデルを最初から出してきたものの、相変わらずのデザイン。


「他社に比べ、特に秀でているものを感じない。」


これに尽きます、残念極まりない。
初めは今後のHTCを感じるためにXを買おうと考えていましたが、多数のhands-on動画を見て、断念しました。新しいブランド名を立ち上げてはいますが、これまでとの差を感じ取れず。買ってもすぐに使わなくなりそう・・・先行きが見えてしまいました。


先日、HTCとKDDIとがタッグを組み、日本仕様の機種を投入していく、との発表がありました。
日本仕様として代表的なワンセグ、赤外線、おサイフ、といった機能に対応していくものと思われます。日本ではこの3セットが、使用率が低いにもかかわらず必須機能とされており、搭載されているほうが売れる、という流れがあります。日本のみで。
HTCはこうしたキャリアごとの細かいカスタマイズ対応をしていくことで、生き延びていこうと考えているのでしょうか。


HTCの復活や是如何に。


それにしても、日本のフィーチャーフォンには普通に搭載されている・あまり使わない機能がスマートフォンにも搭載されていないと感じる不安、って、なんなんでしょうね。





Samsung
今回一番驚いたのはSamsung
なんと、新しく生まれ変わったGalaxy Beamの発表がありました!


新 Galaxy Beam


●OS:Android 2.3
●サイズ:約64.2×124 X 12.5mm
●重さ:約145.3g
●ディスプレイ:4インチ、480x800(WVGATFT
チップセット:1 GHz デュアルコア
●メモリ:RAM 6GB、ROM 8GB
●外部メモリ:microSD/microSDHC(32GBまで対応)
●アウトカメラ:約500万画素、CMOS、AF、フラッシュ、720p@30fpsVideo Recording
●インカメラ:130万画素
●ネットワーク:HSPA 14.4Mbps 850/900/1900/2100、EDGE / GPRS 850/900/1800/1900
Wi-Fi b/g/n、Wi-Fi Direct
Bluetooth 3.0+HS
DLNA(AllShare Play)
●バッテリー:2000 mAh
●プロジェクター:最大輝度15ルーメン、50インチサイズのスクリーンまで投影が可能


初代Beamより画面大きく薄くなり、バッテリー容量増えました。待望のデュアルコア、Gingerbread。スペックはミドル級ですが、初代よりは断然向上しています。
いまも持っている初代は現役で使っています。後継機はもう出ないだろうと諦めていたので、これはとても嬉しい!新Galaxy Beam、買うしかありませんね!(笑)


4月にアメリカで発売される模様。
SIMフリー版出るでしょうか。期待!


あとはGalaxy Note 10.1が発表されました。10.1インチ、android 4.0(ICS)搭載。しかしそれ以外に何が特徴で何が良いのかわからず。とりあえずタブレットでNoteを出してみた、という感じがします。1.4GHzデュアルコア。現地で触れた方の感想によると、HTC Flyer(7インチ スタイラス付)のほうが出来が良いのではないか、とのこと。5.3インチのNoteが大きくなった、というより、Galaxy TabにNoteの機能がついただけですかね。手書き文字や図形を認識・成形するShape Match、数式を認識するFormula Match、Adobo Photoshop TouchやAdobe Ideasなどのアプリをプリインストールするのは良いでしょう。しかしこれらはSペンに最適化されたアプリというわけではありません。10.1インチでNoteを出してきた意味をもっと明確に感じられるものにしなければ、数あるタブレットの中のひとつ、にしか過ぎなくなるでしょう。





Nokia
最近はLumiaシリーズがメインのNokiaですが、Symbian OS端末も出してきました。
Nokia Asha 202、203、303を発表。
特にAsha 303 はストレートQWERTY端末で、とてもスタイリッシュなデザイン。



まずいです。見ているとポチってしまいそうなので、見ないことにします。



しかし、今回のNokiaの目玉はなんといってもこれ。



Nokia 808 PureView!
●CPU:シングルコア 1.3GHz、ARM11
●OS:Symbian Belle
●2G Network:GSM 850 / 900 / 1800 / 1900
●3G Network:HSDPA 850 / 900 / 1700 / 1900 / 2100
●Speed:HSDPA 14.4 Mbps, HSUPA 5.76 Mbps
●リアカメラ:
 静止画 41 MP (38 MP effective, 7152 x 5368 pixels)
 動画 1080P、追尾オートフォーカス対応、画質を損なわずに4倍ズーム可能
●フロントカメラ:VGA、30fps video recording
●ディスプレイ:4インチ、解像度640x360、AMOLED、ゴリラガラス
●RAM:512MB
●ROM:1GB
●ストレージ:16GB
microSD
●microHDMI
●microUSB v2.0
Bluetooth:v3.0 with A2DP
wi-fi 802.11 b/g/n, DLNA, UPnP technology
●サイズ:123.9 x 60.2 x 13.9 mm
●重さ:169g
●バッテリー:Li-Ion 1400 mAh
一応、Symbian OSスマートフォンではありますが、基本、カメラですねこれはもはや。



ほんと、桁外れです。
変態端末認定!
カメラがすごい、というのはこういうことを言うのですよね、HTCさん!


氣がついたら買っていた、なんてことになりそうで恐いです。





その他のメーカー


SONY Mobile】
Xperia NXTシリーズに新たに2機種

音楽や動画のストリーミングができる「Sony Entertainment Network(SEN)」にアクセス可能


Xperia P

Android 2.3(2012年第2四半期に「Android 4.0」にアップ)、1GHzデュアルコア、約4インチ、2Dと3Dのパノラマ撮影、HD動画撮影可能な8Mピクセルカメラ、ストレージ16GB、NFC、サイズ122×59.5×10.5mm、重さ約120g。


Xperia U

Android 2.3(2012年第2四半期に「Android 4.0」にアップ)、約3.5インチ、1GHzデュアルコア、5Mピクセルカメラ、サイズ112×54×2mm、重さ約110g。下部のキャップの着せ替えが可能。


Huawei

クアッドコアandroidスマートフォン「Ascend D Quad」を発表。
Huawei製 1.2GHzおよび1.5GHzのクアッドコアK3V2。
android 4.0、厚さ 8.9mmの薄さ、4.5型720pディスプレイ、8Mピクセルカメラ・1080p動画撮影、ドルビー 5.1ch サラウンド。バッテリは1800mAh。2500mAh版のAscend D Quad XLもあり。


【ZTE】
ZTE Era
Android 4.0、7.8mm薄型、4.3インチqHD、Tegra 3 1.3GHzクアッドコア、RAM 1GB、ROM8GB、リアカメラ8MピクセルCMOS、フロントカメラ 720p、Wi-Fi b/g/n、Bluetooth 3.0、DLNA、MHL。


ASUS
PadFone
スマートフォンタブレット、ノートに合体・変形するandroid端末
Android 4.0、1.5GHzデュアルコア Qualcomm Snapdragon S4、HSPA+/W-CDMA/GSM/GPRS/EDGEに対応。
スマートフォンは4.3インチ960×540Super AMOLED、バッテリー1,520mAh。
タブレットは10.1インチ1280×800、6,600mAh。
キーボードドックの詳細不明。


【LG】
5型の大型液晶を搭載する「Optimus Vu:」(Snapdragon 1.5GHzデュアルコア)、Tegra3搭載「Optimus 4X HD」、裸眼3D「Opitmus 3D MAX」(OMAP4430 1.2GHz)


東芝
クアッドコアTegra 3搭載7.7インチタブレット、1,280×800ピクセル(WXGA)、Android 4.0。


富士通
Tegra 3搭載スマートフォンを開発中。
4.6インチ、カメラ1,310万画素、防水/防塵、指紋センサー、Android 4.0。


パナソニック
新ブランド「ELUGA」
第一弾、欧州向けに防水・防塵性能(IPX5/7・IP5X相当)を備えたスマートフォン。8Mカメラ、薄型ボディ、NFC搭載、TIの1GHzデュアルコア(OMAP4430)、Android 2.3.5。最新のAndroid 4.0にアップデート予定、欧州で4月発売。
参考出品の「ELUGA power」
5インチ1,280×720 HD液晶、コンパクトデザイン、1.5GHz デュアルコア(Snapdragon S4)、Android 4.0。戻る、メニュー、ホームボタンをソフトウェアキーにて配置。







などなど、まだまだたくさんの端末が発表・展示されました。日本を含め多数のメーカーでandroid 4.0・クアッドコア・高解像度スマートフォンタブレットを発表。日本メーカーがスペックだけは世界に追いついてきました。同時期に同等スペックの端末がズラリ。もはやスペック競争は頭打ち、横並び。抜きん出た他の何かが重要。


そんな中、異彩を放っているのが先述のGalaxy BeamとNokia 808 PureView。買いたいと強く感じたのはこの2機種のみ。このくらいはっきりとした力強い特殊性がないと、スペックや端末の機能で秀でることは困難。今年1月に書いた「2011年後半の購入端末と2012年の動き( http://d.hatena.ne.jp/h-gocchi/20120121/p1 )」でも述べた通り、「特殊な重要な機能をもった端末」が早速登場してきました。Nokiaは、PureViewを今後のWindows Phoneにも活かしていくとのこと。こういったつなげ方、大切ですね。特殊端末というものは一部の層を満たすだけになりますから、一般のモデルへその力を反映させていくというのは良い流れです。


スペック競争頭打ち・横並びになり、今後はソフトやサービスやデザインなどで明確に差別化し、さらに全体のバランスや統合性のレベルの高さを追求していく方向へシフトしなければなりません。端末価格も安くなっていくでしょうし、そうしなければ残っていけなくなるでしょう。端末、という存在は近い将来無くなっていくものと私は考えています。ハードを売って利益を出す形から、ソフトやサービス、広告などハード以外から利益を出す形への転換に迫られるはず。AmazonAppleGoogleMicrosoftたち、そして各メーカーの動きに注目です。







さて、最近の私の動きですが、
タブレットは、新しいiPadを早速注文しました。wi-fi版、32GB、ホワイト。
androidタブレットは今はほしいものがありません。Nexusタブレットの噂が出てきているので、そちらを買おうと思います。ASUS製、7インチ、android 5.0搭載。クアッドコアになるのかデュアルコアになるのか。安価で発売される様子、流れをわかっていますね。すべてはまだ噂ですけれども(笑)。


スマートフォンは、androidのハイエンドでは今のところGalaxy SIIIしかほしいものがありません。 当初の噂より遅れており、開発に時間がかかっているようですが、下手なものを焦って出すよりは、じっくりと良いものに仕上げて欲しいところ。期待。


今年一年は、転換や変化が鍵になりそうです。