【 SmartWatch 3 】の使用感レポート

 今回は、Xperiaアンバサダー・プログラムでお借りしているSmartWatch 3の使用感についてお伝えします。






 携帯電話を持つようになってもう何年経つでしょうか。計算してみると、はや17〜18年くらい。それとともに腕時計をつけなくなりました。まわりにもそういう方がたくさん。腕時計利用人口は携帯電話普及とともに随分減ったことでしょう。


 私は、腕時計を使っていた時期でも、移動中以外は腕から外して机やテーブルなどに置くくらい、腕を拘束されるのが嫌でした。長年使っていたのはTAG HEUERで、そのガジェット自体はかっこいいしとても好きだったのですが・・・腕時計をしなくなったときのその解放感は絶大でした。腕がすっきりして動きやすい、晴れ晴れとした爽快な氣分。ああ、もう腕時計は一生使わないな、と感じました。


 いま、世の中はウェアラブル機器の話題が多く、その中心にあるのがスマートウォッチです。しかし、いまからまた腕を拘束されるのはお断り。今回モニターでお借りしない限り、スマートウォッチを使うということはまず無かったと思います。


 とはいえ、お借りしたSmartWatch 3(以降、SW3と略します)も腕時計タイプです。腕にはつけたくない。

 SONYのSmartWatchはこれで3世代目で、当初から本体をコアとしてバンドから簡単に外せる仕様になっています。これがとても氣に入っており、使うならコアだけ取り出していろいろカスタマイズしてみたいなと考えていました。





 独自OSのSmartBand Talkとは違って、このSmartWatch 3はAndroid Wearを搭載。
 最初にアップデート。



 次にGoogle Play開発者サービス、開発者向けオプション。








 以前から、自分がスマートウォッチを利用するなら腕にはつけずに違うスタイルにしようと、いくつか案がありました。実際に手にしてみて、イケると思ったのがストラップタイプ(ペンダントタイプ)。それなら時間をかけずにすぐに加工できます。
 DYI開始。材料はすべて100均にて。

 この透明ミシン糸がなかなかのすぐれもので、ナイロン製で非常に細くて丈夫。

 透明ミシン糸と安全ピン。糸の細さがよくわかります。

 糸を通すためにこの糸通しを使います。

 コア(本体)背面のUSBポートのキャップの付け根が可動しやすいように、コアの下部に穴があります。そして、キャップ付け根の左右にほんのわずかですが隙間があります。穴と隙間を利用して透明ミシン糸を糸通しで通して三重くらいにし、そこにストラップをつなげました。

 こんな感じです。

 これでなんとか使う氣が出てきました。



●地図
 使用開始して最初の数日で感じたのが、Google Map+GPSがとても便利。

 詳細な地図の確認はスマートフォンタブレットで行いますが、移動しながらちょっと確認するにはこれは便利。SW3自体にもGPSが内蔵されており、なかなか優秀です。仕事柄、毎日いろんな場所に行くので助かります。



●懐中電灯


 単に画面が白くなるだけなのですが、地味に便利なシーンがありそうです。



●ボイスコマンドで即検索
 「OK, Google」で開始。




●電卓

 首から下げているSW3を使い、ささっと計算。



Google Keep
 スマートフォンタブレット、パソコンでもGoogle Keepを常用しているので、ちょっとした確認やメモに便利。




●ストップウォッチ



●タイマー



 あとは、Google Nowが天氣やよく行く場所までの所要時間、今日の歩数、その他いろいろ教えてくれるのが地味に便利。Google Nowにはさらなる進化に期待したいところですね。





 以上です!(笑)
 と言っていいくらいで、この小さい画面・端末の中で便利に感じるのはこの程度。


 スマートウォッチを常用している方々の多くは、LINEやTwitterFaceBook、メール、ハングアウトなどの通知が便利だとよくおっしゃいます。スマホを取り出さなくてもスマートウォッチですぐ確認できる、とのこと。
 私はたいてい、スマホタブレットかパソコンを目の前にしていて、ほぼ常時オンライン状態にあるので、何か送られてくれば通常はすぐに気づいて確認できます(SNSやメールを開いている状態)。通知に依存していないのです。


 モニターのためSW3で通知を多少使ってみましたが、やはり私にはスマートウォッチでの通知は不要だと実感しました。かえって面倒臭い。


 また、フィットネス系ウェアラブルバイスとして、あるいはライフログバイスとしても使えるわけですが、興味が無いのでスルー。





 ここからは、試してみたものについて。


●動画視聴
 VideoTubeというYouTube視聴アプリにて。



 音声あるいはキーボードにて入力。今回は音声にて。





 思ったよりずっと滑らかに動画が動いたので驚きました。喫茶店内で撮影したので、音声はオフにしてあります。手ブレしてしまい、誠に恐縮です。



ブラウジング



 読めますが、画面小さく一覧性に乏しく、厳しいです。



●タッチ操作でキーボード文字入力




 QWERTYなのでキーボードを横にスライドさせながらタイピング。入力できますが、長文を入力することはまず無理。せめてケータイ配列のフリック入力ができたらなと思ったのですが、それのできるIMEアプリは見つかりませんでした。



●方位磁針
 アプリがいくつかあったので試しましたが、どれもまともに機能せず。





<操作時、片手のみで済むということがとても大事>

 ストラップタイプにDYIして、ペンダントのように(ストップウォッチみたい、との声もあり)首から下げたのは大正解でした。基本、両手がフリーな状態になります。そして、首から下げているので常に目の前にある。SW3を操作するときは、両手フリーのままボイスコマンドで行うか、手を使ったとしても片手操作。腕時計タイプだと、手で操作するときには完全に両手が塞がってしまいます。この差は大きい!もし腕時計スタイルのまま使っていたら、たぶん一日で使用を中止していたと思います。


 懐中時計のようにして使いたい、という声も結構耳にします。
 時計型だとしても、なぜ腕時計タイプだけなのか。せっかくコアを簡単に脱着可能なデザインにしているのですから、腕時計バンドだけではなく、ストラップタイプ、懐中時計タイプ、バッジタイプなど、多様なアクセサリーがあって良いはず。そうすることで差別化できるのに、非常にもったいない話です。


 結局、モニター期間はストラップタイプしか試せませんでした。本当は、カバンやキーホルダーや財布などにつけられる程度の大きさの、かわいらしいぬいぐるみやおもちゃ、かっこいいロボットなどをつくってそこにSW3をはめ込むようなグッズをつくって試したかったのですが、その余裕がなくできませんでした。自分でSW3を購入してやってみるかどうか、もうしばらく悩むことになりそうです。







<まとめ>
 約一ヶ月SW3を使いましたが、さすがSmartWatchを作り始めて3世代目の製品だけあって、よく動きます。第一世代から比べたら月とスッポンの差。サクサク滑らか。使用時の発熱も強くはなく、氣になるほど熱くなるのは充電時のみ。端末自体はよくできているなと感じました。充電は、熱くはなりますが急速で良いです。


 バッテリー持続時間は、完全に「時計」としてだけ使っていればだいたい二日間はもちます。スマートウォッチとしての機能を使うと、朝出発時に電源を入れて、帰ってくるころにちょうど電池が無くなるくらい。


 予想通り、私の日常には必要のないデバイスでした。完全におもちゃ。スタンドアロンで機能しないデバイスは単に荷物を増やすだけ。他のアクセサリーにDYIでカスタマイズしてどれだけ楽しめるか、ですね。


 先日、SONYのどなたか忘れましたが、スマートウォッチはモバイルデバイスなどのテクノロジー進化の過渡期の産物であり、終着点ではない。ひとつのステップとして、その先へ進むための段階的なものとして作っている、とおっしゃっていました。これには合点がいきました。


 ウェアラブルバイスは、装着していることが意識されないほど自然な存在にならないと、本領発揮は無いだろうと考えています。片手の自由を奪うようではあり得ないこと。ましてや、この小さな画面、小さな端末でできることは非常に限られてしまいます。これを過渡期とするなら、今後どんな方向へ進んでいくのか。早く知りたいものです。